eAT KANAZAWA 2012 2日目セミナーB

2日目はセミナーと夜塾。
一昨日から殆ど寝てなかったので少し遅めに起床。
セミナーBの中島信也さん、土佐信道さん、秋山具義さん、諏訪綾子さんの会に出席。
皆さんがどういったお仕事や、アート活動をしていることを全く知らずに出席したので聞いてびっくり!


中島さん、秋山さんは広告業界で、誰もが知っているCMや広告を多数制作、
土佐さんの活動は、アートとプロダクトの線引きが分かりやすく、しっかりとした根拠に基づいて制作されている。
諏訪さんに至っては仰っていることが全く理解できず、よく分からないことへの衝撃を受けた。それはそれで有りだと思う。

中島さん、秋山さん、土佐さんは話が本当に面白くて、その発想が仕事に反映されているのだなと思った。
特に中島さんと土佐さんの、自己紹介と制作工程のプレゼンは凄く勉強になった。

【プレゼンをやる上で気がついた点】
・話のテンポがめちゃくちゃいい
・文字量が少ない
・分かりやすい
・中島さんはゆるい手書き1、2行。間に写真
・土佐さんは絵が超うまいし整理されている
・ネタが面白い
・面白い写真、映像が入る
・長くない
・だらだら説明しない
・効果的な効果音。まさに効果。
・場慣れ
・話で人柄が分かる
・自分らしい

秋山具義さんは今回初めて知ったが、AKB48「ヘビーローテーション」CDジャケットや爆笑問題の転職のCMをなどを担当。秋山さんご本人がネタを考えているのがスゴイ。



あと秋山さんの行動範囲が、お話を聞いていると少し被っていて親近感が沸いた。
秋葉原生まれで、学生時代は池袋の広告に刺激を受けていたらしい。
セミナー後、うちの奥さんが秋山さんでググったらラーメン好きらしく、二郎という二文字を発見。
その時は親近感にプラスαされたくらいだったが、夜塾でお話したら自分らより凄かった。負けた。ラーメン大先生だった。
あとから知ったが糸井重里さんのほぼ日のキャラデザも担当しているらしい。あー最初にもっと秋山さんのことを勉強して行けば良かったと反省。

ほぼ日のキャラデザについて

土佐さんに関しては初日から、もの凄く引きつけられる人柄があって、
そのうえでアートへのプロセスが明確で、緊張感のある発想ができ、やるときはトコトンおやりになる。
お話を聞いていても、スーと頭に入ってきて納得できるし参考になる。
自分も今34歳でこの歳になると、中々参考になる話を人から聞くことができないので大変貴重だった。

eAT KANAZAWA 2012 1日目

1/27(金)〜29(日)の2泊3日で、石川県の金沢市で行われたイート金沢の授賞式にいってきた。

イート金沢は1997年から始まったデジタルクリエイターの祭典で、日本を代表するアーティスト、映画・映像関係者、IT関係者、ライター、編集者の方々が一堂に会し、「フォーラム」や「アワード」「セミナー」等のプログラムに加え、イート金沢ならではの「夜塾」という、参加者が夜通しこうした先生方と直接お話を聞くことができるという素晴らし体験ができ、全2日の日程で毎年行われている。

◆審査員
菱川勢一さん (映像作家、アートディレクター、写真家)
中島信也さん (CMディレクター、株式会社東北新社専務取締役)
川井憲次さん (作曲家)
土佐信道さん (アートユニット、明和電機代表取締役社長)
宮田人司さん (クリエイティブディレクター、株式会社センド代表取締役)
山口裕美さん (コンテンポラリアートラボ代表)


フォーラム&アワード会場


授賞式前に食べた昼飯は最高に旨かった。

16時に集合したときには既にリハ中で、実行委員の方々が忙しそうに走り回っていた。
そんな中でも実に丁寧に対応していただき、至れり尽くせりで、
行き届いたスタッフの方々の対応が非常に素晴らしくうれしかった。

18時頃開演。
総合プロデューサーの菱川勢一さんが制作したタイトルバックが大音量のスピーカーで上映。
授賞式。今回の受賞作品は今までのイートとは違い、インターネットで閲覧できるコンテンツなら何でもOKということで、受賞者の傾向もアニメーションのコンテストとはまた違った視点で面白かった。意外にもアニメーション作品が多いのがビックリしたが、そんな中でもPAPERBOYを選んでいただけたのは本当にうれしかった。

次に昨年の名人賞と受賞したリリー・フランキーさんデザインによる加賀繍の着物制作の発表と、鄭秀和さんと若手工芸家さんとのキャンドルスタンド制作の発表が行われた。

リリーさんご本人は居なく、明和電気の土佐さんが着物を着て登場

冗談交じりのお話を聞いて、中島さんと土佐さんは人間的にも本当に素晴らしい方々だなと思った。
キャンドルスタンドの鄭さんの方はまだ未完で、制作途中ということで、作家さんたちもまだまだ何ともという感じだった。

そのあと行われたフォーラムは菱川勢一さんとゲストにNHKの加藤拓さん。

菱川さんといえば森の木琴


森の木琴メイキング

加藤さんは坂の上の雲第3部のチーフディレクターであり、他にも数多くのNHKのドラマを担当。
お二方ともそれぞれのスタイルでお仕事をなさっていて、新人のころから現在に至るお話はとても面白かった。

フォーラム後は毎年恒例らしいレセプションへ。
中島さんのMCから歌で始まり弟さんとの漫才コンビのようなお話。酒炭酸で乾杯。そしてカラオケ大会。土佐さんの三三七拍子。皆さんネタを持ってること持ってること。坂本美雨さんの歌も聴けた。そして一緒にお写真も。自分ももし次回参加することがあったらエッサッサをやろうかな。な〜んてw

初日からメチャクチャ濃かった。

第5回こどもアニメーションフェスティバル

2011年10月30日(日)女子美で行われた『第5回こどもアニメーションフェスティバル』にノミネートしていただき、上映会に行ってきた。

上映日はちょうど女子美の学園祭で、学生の頃の懐かしさに浸りながら卒業して早12年、少しずつ自分のやりたい事が実現してきていることを実感しながら、やりたいことをひたすら続けてれば必ずできると信じて進む、熱意と行動の大切さを改めて実感した。


因みに今回の審査員は、言わずと知れたアニメーション作家の巨匠、古川タクさん、カールおじさんや明治製菓のきのこの山、たけのこの里のたぬきやうさぎのキャラクターデザインでも有名なひこねのりおさん、短編アニメや映像アートの、非常に良質な作品の配給業をなさっているオフィッスHの伊藤裕美さんと蒼々たるメンバー。こちらの先生方にも作品を見てもらえるという意味でも、アニメーション作家を目指すものにとっては非常に価値があることだと思う。


今回のノミネート作品はこちら 嬉しいことにパンフにはPAPERBOYのキャプチャーも

上映会は今までで1番ユル〜イ感じだったが、映画祭の中では1番画質がよく、作品の数、質、クオリティの高さもピカイチだった。ただ、残念なのは作家さん達の集まりがあまりよろしくなかったこと。「こども」をテーマにしたアニメーション映画祭は世界的にも数が少なく、非常に素晴らしい企画だと思う。実行委員の方の協力があっての映画祭でありフェスティバルなので、ノミネートされた作家の方々は出来る限り足を運び、上映会全体を盛り上げるべきだと自分は思う。

作品全体を通して、自分が気に入った作品は前回の吉祥寺アニメーションでも多数受賞した石田さんの「rain town」は上映環境もよく、非常に美しかった。今林由佳さんの「おにしめ おたべ」は野菜達が動物に変化して料理が進んでいくという、表現の難しいテーマを非常にかわいらしく制作している、ご本人の愛情が感じられる作品で素晴らしかった。あと胡 嫄嫄さんの「SPOTS SPOTS」はパンフのキャプチャにも載っている、丸々とした可愛いキャラクターが写生している場面から始まり、同じ模様やモノを凝視していると、錯覚でその世界に入り込んでしまう表現を、モノ凄いアニメーション力で展開していき、みていて驚きの連続だった。
全作品どれをみても面白かったし勉強になった。

審査結果でPAPERBOYは受賞はしなかったけど、こどもアニメーションフェスティバルは自分の中では非常に良質な映画祭で、今後も是非続いてもらいたいし、子供達にみてもらいたい作品ができたら是非応募したい。

また、今回上映された全作品が下記の場所で再上映される。興味がある方は是非。
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女子美★こどもアニメーションフェアinすぎなみ
2012年2月7日(火)~12日(日)
場所:杉並アニメーションミュージアム
女子美術大学メディアアート学科の卒業制作と、第5回こどもアニメーションフェスティバルの上映作品の中から、こどもたちに見て欲しいアニメーション作品を選んで上映します。また、合わせて制作過程の展示、アニメーション制作のワークショップを実施します。
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アラスカへのあこがれ

一冊の本を読み終えた。

野田知佑さんの「ユーコン漂流」

気分によって脱線したせいでだいぶ日数が掛かったが、やっとユーコンを下ることができた。
野田さんは3年掛けて、2ヶ月を計3回、6ヶ月でユーコンを下っている。

アラスカというと、閉ざされ寒く雪と氷のイメージだけのような印象を持つかもしれないが、
実は自然はかなり豊かで手つかずのまま残されているところも多く(温暖化や開発の影響はあるが…)果てしなく広大な大地。
アラスカへのあこがれを持ち始めたのは数年前に読んだ星野道夫さんの本と写真集からによるものが大きかった。

星野さんの文や写真は美しい詩のようで、透き通った小川の水辺にある石に、濡れる苔をみるような、そんな透明感のある文章がアラスカ全体を映し出し、写真も絵画のようで圧倒される。

一方野田さんのユーコン漂流を読むと、リアルというか男らしい旅人、自由で美しい自然を満喫し、広大な自然と共に自分の心も豊かになれる。こちらも本当に素晴らしい本だった。あと犬好きの自分としても、野田さんの愛犬ガクの描写がなんともよくて、自分も犬を連れていつかカヌーでユーコンを下りたいと思った。実際、ユーコンの川岸には熊(クロクマ)が多く、よく熊の足跡があり、ガクが熊と決闘して、キャンキャン泣いて野田さんに逃げ込み熊を連れてきたり、熊よけに銃声をならしたり結構危険な感じもする。あと、上陸すると蚊の大群にやられることが多いらしい。蚊は世界の自然地域に行くと必ず悩まされるらしく、うわぁって感じもするが、カヌーの上では蚊に悩まされる心配もないと。確かに…

旅の終わりにベーリング海から17km奥に入ったエモナックにあるホテルの一階のレストランで、特大ハンバーグを注文して食べて感想をこう書いてある、、、

——この二ヶ月、いや、出発点から数えて六ヶ月間ぼくが食べ物を口にしたのは常に他人のもてなし、友情、仲間意識によってである。お金さえ払えばそこに何の気持ちのやりとりや交流もなく、自動的に食べ物が目の前にでてくる、というのが不思議な気がした。なるほど、貨幣経済というのはこうやって社会から「人間のつき合い」を奪っていくのである。——

貨幣経済の中でももてなしの心で接する人も少なくないが、往往にして今の「人づき合い」についてはネット社会の中で、急激に変わりつつあるし、疑問を感じることが多々ある。

自分も矛盾しているのがわかるんだが、最先端へのあこがれや、表現の探求で新しいことへの挑戦、デジタル化、ソーシャルによる繋がり、便利になることへの喜びなどは、本当に嬉しいし興味もあるし面白い。
ただ、全く逆のアナログへのあこがれ。あこがれというかなんだろう。清貧。

アラスカへのあこがれはそんな矛盾からきているのだろう。

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第7回吉祥寺アニメーション映画祭

吉祥寺アニメーション映画祭は2年前くらいから何となくチェックしていた映画祭で、場所も吉祥寺ということで、三鷹周辺にあるスタジオジブリをはじめとする世界を代表するアニメーションスタジオが数多くある地域でもあり、審査員の方々もSTUDIO4℃の方など有名アニメーション会社や評論家の方で、自分の実力を確かめる意味でとりあえず応募してみたところ、映画祭前日にも特に連絡はなく「あ〜落ちちゃった」と思って何となくHPをチェックしたらノミネート作品に入っていた。



一応当日足を運んで見たところどうやら本当にノミネートされていたので、もうそれだけで満足して、今日は他に選ばれた方の作品をみて勉強しようと上映される作品を全部みたが、どれもレベルが半端なく高いこと高いこと。

その中でもフミコの告白でも有名な石田祐康さんの「rain town」は卒業制作とは思えないクオリティの高さで衝撃だったのと、秦俊子さんの「さまよう心臓」は特に素晴らしかった。

そんな中、かなり想定外というか予想外に自分の作品がジブリ美術館賞に選ばれた。
仮に何かの賞をいただけたとしてもジブリの賞だけはないなと思っていた。
ジブリの方は当日いらっしゃらなかったので、はっきりとした受賞理由が聞けなかったが、兎に角うれしかった。

授賞式後には吉祥寺の超うまい焼肉屋で交流会。
アニメーション評論家で文化庁メディア芸術祭審査員でもある氷川竜介さんと長い時間、日本のアニメ史に関してご教授いただけたのは本当に貴重な時間だった。氷川竜介さんは本当に素晴らしい方だった。テレビアニメ版「宇宙戦艦ヤマト」を見直そうと思った。
氷川さん曰く、当時のアニメの光の表現はすべて手作りで、そこにはデジタルでは表現できない自然の光の美しさがあると。セルに本当の自然の光を入れる。今なんかは全部エフェクトで表現できるが、エフェクトで表現できる光には限界がある。いくら同じように表現しようとしても自然の光には勝てない。自分もそう思う。アンドレイ・タルコフスキーのローラとバイオリンの光と鏡と水たまりの反射によるキラキラした光の表現は、少年の純粋無垢な姿を映し出す。フィルムの色、当時の空気感はデジタルでは絶対表現できない。フィルムは保存が大変で老化していく。それに比べデジタルは半永久的に保存は可能だが、当時の映像から学べることは数多くあると思う。
ちょっと脱線してしまったが、氷川さんと自分そしてうちの奥さんも、画に関してよいと思う箇所が共通していたのでうれしかった。

また、交流会に来ていた受賞者の皆さん、特に京都精華大学の卒業生の皆さんともゆっくり話ができた。

最近思うのは大学生のアニメーションの技術レベルが非常に上がっていること。それは本当に素晴らしいことだと思う。恐らく藝大の大学院のアニメーション専攻から始まり、各大学もアニメーション専攻というカリキュラムが増えているからだと思う。
自分も今回の映画祭で彼らから非常に多くの刺激をもらうことができた。
彼ら若い世代に負けないようまだまだまだまだコツコツと。